
この記事では、統計ソフトStat Lab Analytics (StatLA)を使って「基本統計量」を求める手順を、初心者の方にもわかりやすく解説します。
基本統計量とは

基本統計量とは、データ全体の特徴を短い数字で要約するための指標です。たとえば、平均を見ると「だいたいどのくらいの値なのか」がわかり、標準偏差を見ると「どのくらいばらついているのか」がわかります。
製造業では、部品寸法、重量、強度、温度、加工時間など、日々多くの数値データを扱います。基本統計量を確認することで、工程の状態を大まかに把握し、次にどの解析を行うべきか判断しやすくなります。
■基本統計量で何が分かるのか
✅データの中心がどこにあるか
✅データがどのくらいばらついているか
✅極端に小さい値・大きい値がないか
✅分布が左右どちらかに偏っていないか
■どのような場面で使用するのか
新しいデータを受け取ったときは、いきなり検定や回帰分析を行うのではなく、まず基本統計量を確認することをおすすめします。データの件数、平均、ばらつき、最大値・最小値を確認するだけでも、解析前の見落としを減らせます。
基本統計量の操作手順

■Step1 ソフトを起動する
まず、Stat Lab Analyticsを起動します。画面左側にメニュー、中央に解析メニューが表示されます。
ホーム画面では、左メニューまたは中央の解析カードから「基本統計」を選択できます。
無料統計解析ソフト – Stat Lab Analytics
■Step2 左メニューから「基本統計」→「基本統計量」を選択する
左メニューの「基本統計」をクリックします。基本統計画面が開いたら、右側の操作パネルにある「解析メニュー」で「基本統計量」を選択します。
!ポイント
基本統計画面では、基本統計量のほかに、データの要約、記述統計、正規性検定、信頼区間、パーセンタイル計算も選択できます。

■Step3 データを入力する
左側のData Editorにデータを入力します。Excelのように、セルへ直接入力できます。
Excelにデータがある場合は、Excel側で範囲をコピーし、Data Editorの左上セルを選択して貼り付けます。直接入力する場合は、セルをクリックして数値を入力します。

この記事では、例としてA列、B列、C列に測定データを入力しています。
| A | B | C |
|---|---|---|
| 10.02 | 52.1 | 801 |
| 10.05 | 51.8 | 798 |
| 10.01 | 52.4 | 806 |
■Step4 解析列を選択する
操作パネルで、解析対象列を選択します。複数列をまとめて確認したい場合は、「対象列(複数選択)」でA、B、Cなどを選択します。
基本統計量では、複数の数値列を同時に選択すると、列ごとに統計量が一覧表示されます。

■Step5 「解析実行」をクリックする
設定が終わったら、青色の「解析実行」ボタンをクリックします。

■Step6 解析結果を確認する
解析を実行すると、画面下部の「解析結果」に基本統計量が表示されます。
結果テーブルには、選択した列ごとに件数、平均、中央値、標準偏差、分散、最小値、最大値などが表示されます。

結果として表示される項目の意味
| 項目 | 意味 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 件数 | 計算に使われたデータの数です。 | 想定より少ない場合、空白や欠損がないか確認します。 |
| 平均 | データの合計を件数で割った値です。 | データ全体の中心を大まかに把握できます。 |
| 中央値 | データを小さい順に並べたとき、中央にくる値です。 | 外れ値の影響を受けにくい中心の指標です。 |
| 標準偏差 | データのばらつきの大きさを表します。 | 値が大きいほど、測定値のばらつきが大きいと考えます。 |
| 分散 | 標準偏差のもとになる、ばらつきの指標です。 | 工程間のばらつき比較などで使われます。 |
| 最小値 | データの中で最も小さい値です。 | 規格下限に近い値がないか確認します。 |
| 最大値 | データの中で最も大きい値です。 | 規格上限に近い値がないか確認します。 |
| 第1四分位数 | 小さい方から25%の位置にある値です。 | データの下側の広がりを確認できます。 |
| 第3四分位数 | 小さい方から75%の位置にある値です。 | データの上側の広がりを確認できます。 |
| 範囲 | 最大値から最小値を引いた値です。 | データ全体の広がりを直感的に確認できます。 |
| IQR | 第3四分位数から第1四分位数を引いた値です。 | 中央50%のばらつきを確認できます。 |
解析結果の見方
基本統計量を見るときは、平均だけで判断しないことが大切です。平均は便利な指標ですが、外れ値や偏りの影響を受けることがあります。
!確認のコツ
平均を見るときは、中央値、標準偏差、最小値、最大値も一緒に確認しましょう。
■ばらつきを確認する
標準偏差や分散が大きい場合、データのばらつきが大きいことを意味します。製造業では、ばらつきが大きいと品質が安定していない可能性があります。
■中央値を確認する
平均と中央値が大きく離れている場合、データに偏りや外れ値が含まれている可能性があります。たとえば、ほとんどの値は安定していても、1つだけ極端に大きい値があると、平均が引っ張られることがあります。
■最大値・最小値を確認する
最大値と最小値は、データの端にある値です。規格値がある場合は、最大値・最小値が規格に近づいていないか確認します。
まとめ
基本統計量は、データを理解するための第一歩です。平均、中央値、標準偏差、分散、最小値、最大値などを確認することで、データの中心やばらつき、異常値の可能性を把握できます。
✅基本統計量は、解析前に必ず確認したい基本情報です。
✅平均だけでなく、ばらつきや中央値も合わせて確認しましょう。
✅製造業では、寸法、重量、強度、温度、加工時間などの確認に役立ちます。
✅次のステップとして、ヒストグラムや箱ひげ図を見ると、データの分布をより深く理解できます。
!次におすすめの解析
基本統計量でデータの全体像を確認したら、ヒストグラムや箱ひげ図を使って、データの形や外れ値の有無を確認してみましょう。
