
この記事では、Stat Lab Analyticsを使って2標本比率検定を実施する方法を解説します。2標本比率検定は、2つのグループの比率に差があるかを確認する検定です。
製造業では、設備Aと設備B、改善前後、仕入先Aと仕入先Bなどで、不良率や合格率に差があるかを確認したい場面があります。この記事では、サンプルデータを使いながら、操作手順と結果の見方を初心者向けに説明します。
2標本比率検定とは?

■ 2標本比率検定とは?
2標本比率検定は、2つのグループの比率に差があるかを確認する検定です。比率とは、全体の中で該当するものがどれくらいあるかを表す値です。
たとえば、グループAで200個検査して18個が不良、グループBで200個検査して8個が不良だった場合、グループAの不良率は9%、グループBの不良率は4%です。この差が統計的に意味のある差かを確認できます。
2標本比率検定は、平均値を比較する2標本t検定とは用途が異なります。寸法や重量の平均を比較する場合は2標本t検定、不良率や合格率のような割合を比較する場合は2標本比率検定を使います。
製造業でどのように利用されるか
■ 2つの不良率を比較する
製造業では、設備や仕入先、勤務帯、材料条件などによって不良率が変わることがあります。2標本比率検定を使うと、2つのグループの不良率に統計的な差があるかを確認できます。
| 活用場面 | 確認内容 |
|---|---|
| 設備Aと設備B | 設備間で不良率に差があるかを確認します。 |
| 改善前後 | 改善後に不良率が下がったかを確認します。 |
| 仕入先比較 | 仕入先ごとの不良率を比較します。 |
| 昼勤と夜勤 | 勤務帯による不良率の違いを確認します。 |
| 新材料と従来材料 | 材料変更による不良率差を確認します。 |
操作手順

■ Step1 ホームから「仮説検定」を開く
Stat Lab Analyticsを起動し、ホーム画面の解析メニューまたは左サイドバーから「仮説検定」を選択します。
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■ Step2 解析メニューから「2標本比率検定」を選択する
仮説検定画面が開いたら、検定方法のプルダウンから「2標本比率検定」を選択します。

■ Step3 グループA・グループBの不良数と検査数を入力する
Data Editorに、各グループの検査数と不良数を入力します。今回の例では、グループAとグループBをそれぞれ200個検査した結果を比較します。
| グループ | 検査数 | 不良数 | 不良率 |
|---|---|---|---|
| グループA | 200 | 18 | 0.090 |
| グループB | 200 | 8 | 0.040 |


■ Step4 有意水準を確認する
有意水準は初期値として0.05が設定されています。これは、5%の基準で2つの不良率に差があるかを判断する設定です。

■ Step5 解析実行ボタンを押す
設定内容を確認したら、「検定実行」ボタンをクリックします。

■ Step6 解析結果を確認する
解析が完了すると、結果ダッシュボードが表示されます。不良率、比率差、Z値、P値、95%信頼区間、判定を確認します。
主な項目と結果の解釈を以下に掲載します。
| 項目 | 結果 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| グループA検査数 | 200 | グループAの検査総数です。 |
| グループB検査数 | 200 | グループBの検査総数です。 |
| グループA不良率 | 0.090 | 18 ÷ 200 = 9.0%です。 |
| グループB不良率 | 0.040 | 8 ÷ 200 = 4.0%です。 |
| 比率差 | 0.050 | グループAが5.0ポイント高いです。 |
| 95%信頼区間 | 0.0019 ~ 0.0981 | 比率差の推定範囲です。 |
| Z値 | 2.028 | 2群の差がどれくらい大きいかを表します。 |
| P値 | 0.0425 | 0.05未満のため、2群に差があります。 |
| 判定 | 2群に有意差あり | グループAの不良率が高いと判断します。 |
■ Step7 結果を解釈する
今回の結果では、P値が0.0425で有意水準0.05より小さいため、帰無仮説を棄却します。つまり、グループAとグループBの不良率は同じとは言えません。
グループAの不良率は9.0%、グループBの不良率は4.0%で、グループAのほうが高い結果です。設備条件や材料条件など、グループ間の違いを確認しましょう。

結果の見方
■ P値を見る
P値は、2つのグループの不良率が同じだと仮定した場合に、今回のような差が偶然で起こる可能性を表します。今回のP値は0.0425で、0.05より小さいため、2群の不良率に差があると判断します。
■ 95%信頼区間を見る
今回の95%信頼区間は0.0019から0.0981です。0を含まないため、比率差は0ではない、つまり2群に差があると考えられます。
■ 2標本比率検定と1標本比率検定の違い
| 項目 | 1標本比率検定 | 2標本比率検定 |
|---|---|---|
| 比較するもの | 1つの比率と基準値 | 2つのグループの比率 |
| 例 | 不良率が基準5%と違うか | 設備Aと設備Bの不良率に差があるか |
| 用途 | 基準達成の確認 | グループ間比較 |
まとめ
2標本比率検定は、2つのグループの比率に差があるかを確認する検定です。不良率、合格率、クレーム率など、割合で管理する品質指標をグループ間で比較できます。
今回のサンプルデータでは、グループAの不良率9.0%はグループBの4.0%より有意に高いと判断されました。平均値ではなく、割合を比較したいときに活用しましょう。
