
この記事では、Stat Lab Analyticsを使って、F検定(分散比)に必要なサンプルサイズを設計する方法を解説します。
F検定のサンプルサイズ設計は、2つのグループのばらつきに差があるかを確認する前に、各群で何件のデータを集めればよいかを決めるための機能です。
製造業では、設備間、材料間、測定器間でばらつきが異なるかを確認する場面があります。試験前に必要N数を決めることで、検出力不足と過剰な測定を避けやすくなります。
| 項目 | 結果 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 必要ペア数 | 34組 | 改善前後を比較するために必要な対応データ数です。 |
| 平均差 | 0.05 | 検出したい平均値の差です。 |
| 差の標準偏差 | 0.10 | 改善前後の差分のばらつきです。 |
| 効果量 | 0.50 | 平均差 ÷ 差の標準偏差で求めます。 |
| 達成検出力 | 0.808 | 目標検出力0.80を満たしています。 |
| 判定 | 目標条件を満たす | 34組以上のデータを収集することで、目標検出力を確保できます。 |
サンプルサイズ設計とは?

■ サンプルサイズ設計とは?
サンプルサイズ設計とは、統計解析を行う前に、必要なデータ数を決める作業です。
F検定では、2つのグループの分散、つまりばらつきの大きさを比較します。サンプルサイズ設計では、検出したい分散比を設定し、それを見つけるために必要な各群のデータ数を求めます。
サンプル数が少なすぎると、実際には差があっても検出できない可能性があります。一方で、必要以上に多いサンプル数は、試験費用や測定工数の増加につながります。
| 項目 | 意味 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 分散比 | 2つの群の分散を比較した比です。 | 1から離れるほど、ばらつきの差が大きいことを示します。 |
| 有意水準 | 差がないのに差があると判断するリスクです。 | 通常は0.05を使用します。 |
| 検出力 | 実際に分散比に差があるときに検出できる確率です。 | 一般的には0.80以上を目標にします。 |
■ 事前に必要N数を決める理由
ばらつきの差は、平均値の差よりも検出しにくい場合があります。そのため、事前に十分なサンプル数を計画しておくことが重要です。
特に分散比が小さい場合は、多くのデータが必要になります。試験前にN数を見積もることで、検出力不足を防ぎやすくなります。
操作手順

■ Step1 ホームから「サンプルサイズ設計」を開く
Stat Lab Analyticsを起動し、ホーム画面または左メニューから「サンプルサイズ設計」を選択します。
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■ Step2 解析メニューから「F検定(分散比)」を選択する
サンプルサイズ設計画面が開いたら、解析方法の選択欄で「F検定(分散比)」を選択します。

■ Step3 検出したい分散比を入力する
検出したい分散比に2.0を入力します。これは、片方の群の分散がもう片方の群の2倍である差を見つけたいという意味です。

■ Step4 有意水準・検出力を入力する
有意水準0.05、検出力0.80を入力します。検出力は、実際に分散差があるときにそれを見つける確率です。

■ Step5 片側検定・両側検定、およびサンプル比を設定する
今回は分散が大きい方向と小さい方向の両方を確認するため、両側検定を選択します。サンプル比は1:1にします。

■ Step6 サンプルサイズ計算ボタンを押す
条件を確認したら、「設計実行」ボタンを押します。設定変更だけでは計算されず、ボタンを押したタイミングで必要サンプル数が計算されます。

■ Step7 各群に必要なサンプル数を確認する
結果画面で、群Aと群Bに必要なサンプル数、総サンプル数、達成検出力を確認します。

結果の見方
■ 必要サンプル数を確認する
今回の条件では、群Aに68件、群Bに68件、合計136件のデータが必要です。
分散比2.0を有意水準0.05、検出力0.80、両側検定で検出するための目安です。
| 項目 | 結果 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 群A必要サンプル数 | 68 | 群Aで必要なデータ数です。 |
| 群B必要サンプル数 | 68 | 群Bで必要なデータ数です。 |
| 総サンプル数 | 136 | 2群合計で必要なデータ数です。 |
| 分散比 | 2.0 | 検出したい分散比(ばらつきの差)です。 |
| 達成検出力 | 0.804 | 目標検出力0.80を満たしています。 |
| 判定 | 目標条件を満たす | 各群68件以上のデータを収集することで、目標検出力を確保できます。 |
■ サンプル数が不足した場合のリスク
サンプル数が不足すると、実際には差があっても、検定で差を検出できない可能性が高くなります。
ばらつきの差を見逃すと、設備や材料の安定性の違いを正しく判断できない可能性があります。
まとめ
✅F検定のサンプルサイズ設計は、分散比を検出するための必要N数を決める機能です。
✅今回の条件では、各群68件、合計136件が必要でした。
✅ばらつき比較では十分なサンプル数が特に重要です。
